目の病気DISEASE

ドライアイについて

「ドライアイ」とはどんな病気?

ドライアイは、さまざまな要因により眼の表面に存在する涙が減少し、角膜、結膜上皮の炎症を起す慢性疾患です。眼の不快感や痛み、見え方の不調をおこすものです。

主な自覚症状は
目の不快感・・・ゴロゴロ、ショボショボする。
目の痛み・・・・充血、しみる、ヒリヒリする、瞬きがつらい。
見え方の低下・・何となく見えにくい、眼がかすむ。

などがあげられます。
複合的な要素が多いので確実な予防法がありませんが、基本的に涙の量が正常であればドライアイの症状を自覚する事はありません。

涙の役割について

涙は眼にとても重要な役割をもっており、ドライアイとも密接な存在です。

涙は外部からの異物や乾燥などから、眼を保護する役割と、角膜に栄養や酸素を届けるという重要な役割を持っています。
涙は瞬きによって分泌されます。また、瞬きは涙を送り出すポンプの役割を持っています。通常の場合、瞬きの回数が減ってしまうと必要な量の涙が出てこなくなりドライアイの症状が出て来ます。

顔から見た涙腺構造と涙のはたらき

目の働き

涙は目の角膜上に約7ミクロンの薄い膜を形成し、その涙の膜は角膜に近い方から「ムチン層」「水層」「油層」の3層にて構成されており98%が「水層」です。

「水層」はまぶたの裏側にある涙腺より作られます。細菌から目を守り、角結膜に酸素や栄養素を供給します。

「ムチン層」は涙腺から分泌された涙を安定させる役割があり、マイボーム腺から分泌された油分はマイボーム腺開口部から涙に加えられます。油分は「油層」として3層の最も外側で涙の蒸発を防いでいます。

目

  • 目の三層構造
    目の三層構造
  • 涙の流れ
    涙の流れ

このように、涙は目に欠かすことのできない役割を担っています。
ただ、現代の生活には涙の減少からドライアイに繋がる要因が多く存在します。

  • コンタクトレンズの装用
    涙の表面にある油層がレンズによって壊され、乾燥しやすくなります。コンタクトレンズを装用すると、涙は30%も蒸発しやすくなります。 またレンズの傷や汚れにより涙の蒸発率はさらに多くなります。
  • 空気の乾燥
    空気が乾燥していると涙の蒸発を促します。日常では、エアコンを使用すると湿度が低下して空気が乾燥するので注意が必要です。
  • 瞬き回数の低下
    瞬きは通常目安として1分間に20回の割合で行いますが、「運転中」「ゲーム」「読書」「事務作業」など集中して物事に取り組んでいる時は、瞬きの回数が4回程度まで減ってしまい涙の量も減ってしまいます。
その他の原因として
  • マイボーム腺機能の低下
    マイボーム腺とは、「油層」の成分を出す所です。マイボーム腺に異常が起こると「油層」の役割が低下し、涙が蒸発しやすくなります。
  • シェーグレン症候群(本当のドライアイ)
    中年期の女性に多くみられる自己免疫疾患で、全身の分泌腺障害により涙が非常に出にくくなります。
  • 過去にわずらった結膜炎
    結膜の炎症を起こしたことにより、「ムチン層」の形成に必要なムチンの分泌が減り、涙を保持しにくくなります。
  • 加齢によるマイボーム腺機能の低下
    涙の量は年齢とともに減少し、必要な涙の成分を作るマイボーム腺の萎縮による「油層」の低下、結膜の弛緩による「ムチン層」の低下、まばたき回数の減少などで、より眼は乾きやすくなります。

ドライアイの検査

  • シルマーテスト
    涙がどのくらい不足しているか目盛りの付いた試験紙を下まぶたに挟み、涙で濡れた量を検査します。
  • 角結膜生体染色検査
    フルオレセイン染色液を使用して角膜、結膜を染色してドライアイによってできた小さな傷を顕微鏡で観察します。
  • ケラトグラフ
    ドライアイの診断に役立つい目の情報を測定し、ドライアイの治療前後の評価ができます。
  • BUT検査
    目を開いた状態で涙の膜が崩れるまでの時間を計ります。

それでは、ドライアイになった場合の治療は?

目薬(人工涙液)をつかって目の乾燥を防ぐ

すべてのドライアイの原因が違うように、この方法が最も一般的な治療方法とういうものはありません。ドライアイの原因をしっかり調べる事が大切です。
目薬も防腐剤を使用していない人工涙液でないと角結膜障害が発生する事があります。
最近では、ただ涙を補充するだけの点眼薬だけではなく、ムチン層を安定させ涙を角膜の表面で安定させる点眼薬も使用できるようになっています。

目の乾燥を防ぐ眼鏡を使用する

涙の蒸発を抑え、乾燥感を抑えるドライアイ専用の眼鏡もあります。

涙を排出する涙点を塞ぐ

点眼薬では改善が見られない場合や症状が重い場合、涙の流出口(涙点)に栓(プラグ)を差し込むことにより涙を目の表面にため、乾き目を軽減させます。このプラグは、こすったり涙点の変形で自然に外れてしまうこともあります。どうしても合わない人には手術で涙点を塞ぐ方法もあります。
ドライアイ症状を訴える方の多くは、マイボーム腺の機能不全による油分の不足が原因です。

マイボーム腺機能不全治療(IPL治療)

この治療は、IPL(Intense Pulsed Light)という光を照射し、マイボーム腺の機能を改善していく画期的な治療法です。施術は2~3週間ごとに4回を1セットとし、少しずつ病変を改善していきます。
涙液層のコンデションを良くし、ドライアイやそれに関する「なんとなく調子が悪いのに原因がわからない」といった不定愁訴の解消としても最適な治療です。
結果、視機能の向上と検査等で精確な測定が見込まれます。洗顔、入浴、化粧等、日常生活上の制限は特にありません。

費用

自由診療:両眼1回5,500円(税込)ですが、4回/1セットして効果が期待できるので、4回分として初回に22,000円(税込)を前払いしていただきます。

今やドライアイは現代人にとって縁のない病気ではありません。
ドライアイはいろいろな原因が考えられる為に患者さんによって治療法もさまざまです。
体の状態や生活環境の確認と対策も必要になります。ドライアイの自覚症状もわかりにくい為に目の調子が悪いかなと思ったら早めに眼科に受診するようにしましょう。

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